糞虫対談その1:中途半端は生き残れない
上原:この子、糞転がすとき、角は邪魔じゃないんですか?
館長:その子は糞を転がさない種類です。糞虫には転がすタイプと転がさないタイプがいます。ちなみに日本にいるのは転がさないのがほとんどです。
上原:なるほど納得!!
館長:ですが、この角は実際生活のほとんどの場面では邪魔なようです。糞は転がさなくても土に潜るとき、明らかに邪魔です。おそらく用途として正しいのは、オス同士の争いと、メスへのアピールです。この黒いのなんか、下を向いて顎が伸びてる理由が謎だったんですが、喧嘩のときにお互い上体を持ち上げてたのを見て納得しましたね。
上原:強さの象徴ですね。てことはやはり、角が大きいのがモテるのですか?
館長:モテるのはおそらくそうですね。ただ、生き残るのは角の大きいやつとは限らないんです。さっき言ったように、角が大きいと行動がスムーズでないので、メスのもとへより速く近づくには角が小さい方がいい。調査によると糞虫の一種では、角がめちゃ大きいやつと角が無いやつの二極分布になっているようです。
上原:あ、中途半端なのは淘汰されたのですね・・・
糞虫対談その2:転がして大きく丸くするわけではない
館長:隣の部屋で、今まさに糞を転がしてるのがいるので、良ければ見ませんか?
上原:はい、フンコロガシがフンコロガシである様を、この目で確かめます!
よく見るとOに糞虫が。他にもいたかも。[/caption] 迷った挙句、写真左の穴に決めた様子。うん、この穴に決めた![/caption]上原:おおおおお、これがファーブル昆虫記で読んだフンコロガシ!
館長:(標本を指さしながら)多分ファーブルのはこっちの種類ですね。それにしても、今回の糞の玉は大きいです。いつもの2倍くらいありますね。あと、形が楕円で運びにくそう(笑)
上原:確かに(笑)。このあともっと転がして丸くしていくんですか?
館長:いや、転がし始めた時点で、サイズと形状はほぼ決定してるようなものです。たぶん置いておいた鹿の糞の大きな欠片をそのまま利用したのでしょう。祖国ではもっと柔らかい糞を扱うので、鹿糞は削るの面倒だったのかも(笑)。
上原:へええ。色々試行錯誤して転がしてるんですね。魂の一球かあ。
糞虫対談その3:レインボーセンチコガネ
館長:そういえば九州からお越しでしたよね? 九州といえばレインボーセンチコガネってご存知ですか?
上原:そんなファンキーな名前の種類がいるんですか!?
館長:いや、熊本の山の辺りではセンチコガネの色が多様すぎて、そう呼ばれてるんです。普通は地域によって偏りがある。青ばっかとか、緑ばっかとか・・・。
上原:うおお、これが全部見れるんですか!? 私も行ってみます!やっぱり馬がいるからなんですかね、牛もいるし。あ、そろそろ帰らなきゃ、もう二時間もいたのか。なんかお土産買わせてください!ああもう選べないので全部買います!
おわりに
いかがでしたか? ならまち糞虫館、最高でしょう。
せっかくなので、数あるお土産から、一つだけご紹介しておきます。
はい。フンコロ菓子。こんなの買うに決まっている。ずるい。そして美味い。
ならまち糞虫館、奈良公園での糞虫観察会なんかもやってるそうです。
是が非でもまた訪問したい。また館長様のお話し聞きたい。
綺麗でカッコイイ糞虫のほんの一部しか今回は紹介してないので、
気になった方はぜひ足を運んでください。
中村館長様、ありがとうございました!
〒630-8341
奈良県奈良市南城戸町28-13
■営業時間
土曜日:13:00~18:00 日曜日:13:00~18:00
■入場料
大人:300円 子供(小学生以下):100円
■ホームページ
https://www.hunchukan.jp/
九州営業:上原