彼の名は。シリーズ | 2018.06.24
朝露に濡れるイネの葉も、ヒグラシの声を背景に夕陽に染まる水田の水面も、田園風景はなぜか日本人の心をホッとさせる雰囲気があります。
ところがこの時期、ベトナム辺りから中国大陸経由でジェット気流に乗ってここに飛んでくるヤツがいます。稲作の生産者さんにとっては毎年気の抜けない、そう、彼の名はトビイロウンカ。
日本に飛来するトビイロウンカは、別名 “秋ウンカ” と呼ばれ通常長い翅をもっています。
この時期飛来する数は大したことはないのですが、文字通りこのあと秋にかけて猛烈にその数を増やします。ある条件が整うと、似顔絵のような翅の短いおデブなトビイロウンカが現れます。これがまさに悪の根源。
見るからに不格好なこのタイプは、増殖のためだけに出現したような個体で、産卵数が恐ろしく多く爆発的な密度の増加を招きます。知らずに放っておくとときに坪枯れ(写真)の要因となり、こうなってしまうと収穫が望めません。
今のうちから今年の飛来の様子について情報収集し、それぞれの地域の防除指針に従って適切な対策の準備をお願いします。
開発部:瀬古