前回は少し趣向を変えて、一般的には誤解されがちなシロアリを取り上げてみましたが、今回第6弾は、また名も知らない害虫に戻りたいと思います。
今回からは、小さい吸汁性害虫をいくつか紹介したいと思います。
彼の名は、アブラムシです。地域(私の生まれた三重県津市ではそうです)によっては、ゴキブリのことをアブラムシというところもありますが、全く別の生き物です。
彼らは小さな昆虫で、体長1mm前後です。いろんな作物に口針という口を刺して、その汁を吸います。家庭菜園でも普通に見られますが、とにかく小さい虫なので、一匹二匹を見つけるのは根気がいるかもしれません。またとっても弱い虫で、特に敵と戦う武器もなければ、逃げ足が速いわけでもありません(そういった意味では、見つければじっくり観察できますよ。)ですから、天敵であるテントウムシなどがやってくると、どんどん食べられてその数が激減し、ついにはほとんどいなくなってしまいます。
ところが、彼らの最大の特長は、とにかく “数” ・ “数” ・ “数”。仕事でキュウリなどの葉に寄生しているアブラムシを数えたことがありますが、一枚の葉で数百匹という場合もありました。親が赤ちゃんをポコポコポコポコ生んで増えます。増えすぎて居場所がなくなると翅が生えてきて、新たな葉を求めて飛んでいきます。そんなすさまじく増殖した様子をお見せしたいのですが、絵に描こうとすると気が狂いそうになるので、ご興味のある読者の方は、“アブラムシ”・“大発生”で検索してみてください。キモかわいい写真が見つかると思います。
彼らの害は、作物の養分を吸うだけでなく、種類によってはウイルス病を媒介することもあります。また、身体はポンプのようになっていて、作物から吸った汁の分だけお尻から排出します。ハニーデューといって甘い “おしっこ” です。これが葉や果実の上に溜まって、少し乾くとベタベタになります。そのうちに黒いカビが生えてきて、果実が汚れると売り物にならないですね。上手な防除は、作物の葉の裏に数匹見つけたら、早め早めに殺虫剤を散布してください。特に葉裏に丁寧に散布するといいと思います。
開発部:瀬古