嫌われ者の農業害虫にスポットを当てる “彼の名は。” 名も知らない虫たちシリーズが第5弾となりました。
今回は、これまでと少しテイストを変えて🐜シロアリ🐜を紹介します。
『おいおいシロアリは農業害虫じゃないんじゃないの?』と思われる方が多いと思います。そこで彼らのイメージがちょっと変わるエピソードも交えてお話ししたいと思います。
読者のみなさんのシロアリに対するイメージってどんな感じですか?多分、大切な家をボロボロにしてしまう “とんでもないやつ” といったところでしょうか?あまり知られていませんが、沖縄ではサトウキビを加害する農業害虫でもあるんです。但し、世界規模でみると、シロアリの大半は森の中でひっそりと暮らし、枯れた枝葉を土に還す極めて重要な役割(エコシステムエンジニア)を果たしている昆虫なんです。彼らのおかげでアマゾンなどの豊かな森が生き続けられるんです。
シロアリにはまだまだ面白いエピソードもたくさんあります。
例えば、シロアリの兵蟻(へいぎと読みます、兵隊蟻のことです)は、似顔絵のとおり大きなアゴを持ってますが、これは敵と戦うためのもの。エサとなる木材をかじるアゴはないために、職蟻(しょくぎと読みます、働き蟻のことです)からエサを食べさせてもらっているんです。そのため、兵蟻が増えすぎるとエサがもらえず餓死する運命にあるようです。まるでどこかの国の問題を浮き彫りにしているようですね。
また、シロアリを500匹くらいを丸い容器に入れて脅かすとパニック状態となり、羊や鰯の群れのようにみんなが同じ方向に一斉にグルグル回りだしたりするんです。直接お見せできないのが残念ですが・・・・。
沖縄県などに生息するキノコシロアリという種類は、自分たちで菌を培養してエサとして育てています。ときどき巣の近くからキノコが生えてきて食べると結構イケるらしいですよ。油性のボールペンで適当な線を描き、その上にヤマトシロアリを放すとどうなると思いますか?なんとシロアリはその線の上を外れることなく歩きだすんですよ。これはボールペンのインクの中に、乾燥防止のために油のようなものが含まれています。この成分がシロアリの道しるべホルモン【ネオセンブレン-A】と似た構造を持った化合物だからです。
いかがですか?チョット捕まえて遊んでみたくなりませんか?
読者のみなさん、シロアリのイメージは少し変わったでしょうか?でもやっぱり我が家を食い荒らすシロアリは許せませんね。もし我が家で発見した時は、シロアリ業者さんにお願いしてしっかり防除しましょう。弊社からのシロアリ防除剤(新製品)もお使いいただければ幸いです。
開発部:瀬古