6月14日付で、弊社殺虫剤カスケード乳剤の「ねぎ クロバネキノコバエ類」への適用拡大申請が認可されました。生産者の皆さまにおかれましては、良質なねぎ生産のために、各指導機関の指導内容に従って本剤をご活用ください。
本種の関連情報については以下を参照してください。
平成26年10月、埼玉県の一部地域の秋冬ネギ栽培で、ハエ目クロバネキノコバエ科の一種による葉鞘部の食害被害が確認され、その後平成27年5月、春ニンジンにも同種と思われる幼虫による食害も確認されました。
このことを植物防疫上の緊急かつ重要な課題として、農林水産省では関係機関と数回の対策検討会議を開催、本虫の発生状況等の調査及び初動防除を実施するとともに、本虫の根絶及びまん延防止について、平成29年4月19日に「クロバネキノコバエ科の一種に関する情報」が公表され、防除方針が示されました。
現在、クロバネキノコバエ類発生地域では、農林水産省の方針にもとづき、生産者や指導機関など関係者一丸となって、本害虫の根絶に向けて日夜努力されています。
尚、この害虫は日本でははじめて確認されたクロバネキノコバエ科の一種であることが判明し、ねぎや人参だけでなく、ニラやニンニクなどのネギ科作物、だいこんなどにも寄生することがわかっています。本虫は、平成29年4月現在、群馬県及び埼玉県の一部地域での発生が確認されています。
この害虫は排水の悪い圃場で発生することが多く、被害の特徴は、白色を帯びた幼虫がネギの地下部葉鞘や盤茎を食害します。地下部での被害であるため発生がわかりづらく、地上部の外葉が枯れ、生育が悪くなり、掘りとってみることでやっと被害に気づくため、防除対策が手遅れになりがちです。
農林水産省の公開情報には、本害虫の生態などの情報、また本害虫の徹底防除に関する方針が紹介されていますので、ご一読いただくことをおすすめします。
国内で本虫を初めて確認した埼玉県では、本年3月に開催された日本応用動物昆虫学会にて、研究成果を発表すると共に、本害虫を「ネギネクロバネキノコバエ(仮称)」と命名する提案をしています。
参照:農林水産省http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/ap/other/bradysia.html
技術普及部:松岡