畑作 | 2017.03.28
その②:土との闘い
日本の国土は、約2/3が山林で、残りの国土に住宅地やオフィス街、そして河川や田畑も点在しています。
火山の多い日本の畑は、火山灰由来の黒ぼく土という種類の土が多く、約半分を占めます。ところが、さとうきびが栽培されている沖縄エリアの土壌は特殊です。初めて耳にする名前かもしれませんが、『マージ』、『ジャーガル』という名前がついています。ともに陶芸家も真っ青なほど強粘質で、まさに固くて重い粘土そのもの。数歩歩くと長靴の底にべったり張り付いて、まるで鉄下駄をはいているようです。
また、これらの土壌は排水性が悪かったり、逆に水持ちが悪かったりと、とても作物栽培に適した土壌とは言えません。
私たちがさとうきびの栽培試験に訪れた時も、前日からの大雨で土がしまり、苗を植えようにも土が硬くて、持参した小型のスコップでは歯がたちませんでした。結局ホームセンターで “つるはし” のようなものを買ってきて、何とか植え付けをしたほどです。ちなみに、二節茎苗を植えたところは土が硬くて、その後ほとんど出芽しませんでした。
さらに、マージは強酸性、ジャーガルは強アルカリ性と、これまた両極端で、決して広くない沖縄エリアでも、畑によってさまざまな土壌改善が必要なのです。毎年さとうきび農家さんは、化成肥料を散布するだけでなく、土づくりのためにたい肥や緑肥を入れます。畑の深耕とバックホウという重機を使った土壌の天地返し、さらにサブソイラによって固くなった土壌を破砕して、根が深く伸びるのを手助けしてやります。
こんなタフな土との闘いが毎年毎年繰り返されているのです。頑張れ、さとうきび農家さん!
開発部:瀬古
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