化学会社として知られるBASFですが、持続可能な将来の実現に向けて、バイオテクノロジーの研究開発にも積極的に取り組んでいます。現在BASFとして力を入れているバイオテクノロジーは、農業(グリーンバイオ)、工業(ホワイトバイオ)、および規制科学の3分野になります。農業部門では、新規農薬の開発や、植物バイオテクノロジーを利用した遺伝子組換え作物の開発を行っています。工業部門では、生物触媒を利用しての化合物製造や、酵素、生分解性ポリマーの開発などを行っています。規制科学部門では、BASFが開発する工業製品や農業製品の毒性試験や環境に対する影響の評価、さらには、より信頼性の高い評価手法の開発に責任を持って取り組んでいます。
国連の調査によると、世界人口は2015年の72億人から2050年には93億人に達すると予想されています。人口が増大すれば、食料、飼料、燃料の需要も増大します。人口増と共に都市化が進めば、一人当たりの食料消費量も増加します。この需要を満たすためには、40年以内に農業生産を2倍にしなければなりません。一方で、地球上では日本のように水資源が潤沢な地域は少なく、耕作可能地は限られています。また、自然豊かな耕作可能地を新たに農地として開拓することは、環境破壊を招きます。持続可能な解決のためには、限られた農地の中で、農作物の収量をあげることが必要なのです。果たして、そのようなことが可能なのでしょうか?
現在、農作物の1/3が雑草や病害虫により失われているとも言われています。バイオテクノロジーによって、病害虫に強い農作物や、干ばつ耐性の農作物、栄養機能を強化した作物の開発が可能になります。BASFの植物バイオテクノロジー部門は、「Innovation Yields Results(イノベーションが成果を生む)」という信念のもと、持続可能な将来の実現に向けて日々研究開発に取り組んでいます。
バイオテクノロジー担当:柳川