農業向けソリューション

全国豆類経営改善共励会の最高賞を受賞した生産組織の雑草管理方法

新潟県三条市
栄北部株式会社 様

主な栽培作物
水稲 大豆

大豆の栽培品種
里のほほえみ

新潟県三条市で大豆生産に取り組む栄北部株式会社。平成30年度の全国豆類経営改善共励会では、大豆集団の部で最高賞である農林水産大臣賞を受賞し、独自のとも補償制度でも注目を集めています。「昨年は雑草害で苦労した」と話す代表の岩坂省三様に、今期の雑草対策の他、大豆栽培への心がけを伺いました。

市の大豆面積の4割超にあたる圃場を管理

新潟県の中央部に位置する三条市。この地で大豆生産に取り組む栄北部株式会社は、大規模転作を目的に地域の4法人と生産組合が出資し、平成19年に法人化した大豆専門の生産組織です。設立以来、地域の大豆団地化を推し進め、現在は三条市の大豆作付面積の4割超にあたる110haの大豆畑を管理しています。平成30年度産の大豆では、大規模面積ながら単収が県平均の約1.5倍にあたる243kg/10a、上位等級比率が7割超を達成。その年の全国豆類経営改善共励会で大豆集団の部の最高賞である農林水産大臣賞を受賞した、新潟県を代表する生産法人です。
大豆の栽培を始めた頃について伺うと、「当時は手探りの状態でした」と岩崎代表は話します。「転作当初は暗渠排水の整備もなく、水はけの悪い条件下で栽培していました。土壌の耕起も行えず、雑草も多かったです」。その時の経験から、「大豆作りには排水対策が必須」と強く認識し、次年度の大豆作付予定圃場に、は秋に心土破砕や弾丸暗渠を施工するなど、圃場の排水環境の整備に力を入れ、「今は大分部分の圃場で排水対策は上手くいっている」と、手ごたえを感じています。

栄北部株式会社の岩坂省三代表。水稲を中心に栽培を行う農事組合法人 尾崎泉地区生産組合の代表も務める。

大規模団地化による作業の効率化を実現

平成30年度の全国豆類経営改善共励会で表彰された農林水産大臣賞の賞状。

栄北部株式会社では、大豆→水稲(早生)→水稲(中生または晩生)の3年一巡のブロックローテーションを採用しています。また、水稲と大豆の区分けが明らかになるように、大豆の作付け圃場を調整。団地化率は100%になり、隣接田からの水の浸入を回避するほか、作業の効率化も図っています。
「大豆の栽培を栄北部株式会社が請け負うことで、各生産者は機械などの設備を揃える必要がありませんし、米作りに専念できます。法人を設立した一番の目的は、地域の農地を守ることです。高齢化と人手不足の中ではありますが、地域の生産者の労力を少しでも減らしていきたいです」と岩崎代表は話します。
平成30年度産からは、品質向上と収量アップを目的に、栽培品種にしわ粒の発生が少なく、最下着莢位置が高く収穫ロスの少ない「里のほほえみ」を導入。その年の全国豆類経営改善共励会の表彰は、良品多収のために取り組んだ様々な努力が実を結んだ結果と言えます。

大豆畑の全圃場にプロールプラス乳剤を導入

栄北部株式会社では、雑草対策としては種前にパワーハローを施工し、砕土率を高め、さらに耕起からは種の間隔を短くした作業体系を行っています。「除草効果を安定させるためにも、砕土率を上げることは大事です。しかし、昨年は長雨の影響もあり、雑草が多く発生してしまいした。特にタデやイヌホオズキが目立ちましたね」。と言う岩崎代表。JAに相談したところ、は種前の土壌処理剤にプロールプラス乳剤を薦められ、今年から全ての大豆畑に導入しました。結果を伺うと、「とても高い効果でした。圃場を見渡しても、昨年のような雑草の発生は見られませんでした。結果として増収に繋げられたと思います」と評価。プロールプラス乳剤の散布は来年以降も継続するとのことで、「JAのお墨付きもあり、効果は信頼しています。このあたりはプロールプラス乳剤を使う生産者は多いですよ」と教えてくれました。
また、各圃場の生産者で行う生育期の雑草管理は、多くの方が大豆バサグラン液剤の他、バスタ液剤を使用。「排水対策と同じく、大豆の栽培では雑草の管理も重要です。雑草の発生具合や大豆の生育状況に応じて、使用できる薬剤を揃えているのは頼もしいですね」と、BASFの大豆除草剤ラインナップに期待を寄せています。

バスタ液剤の大型規格を手にする岩崎代表。バスタ液剤の畝間・株間散布を行う生産者の方も多いとのこと。

担当営業大友

担当営業

大友

BASF営業担当より 取材を終えて

これからも大豆農家の雑草対策に貢献していきたいと思います。

自慢の一品

栄北部株式会社 様

独自のとも補償制度

大規模なブロックローテーションを実現するには、各生産者の協力が不可欠です。栄北部株式会社では独自のとも補償制度を設け、構成員一律に一定額を拠出し支払っています。この制度により、「組合員の不公平感を無くすことができ、転作の調整をスムーズに行うことができました」と岩崎代表は話します。

栄北部株式会社様の除草剤散布体系

栄北部株式会社様の圃場での問題雑草

  • クサネム
  • イヌビエ
  • タデ類