農業向けソリューション

ユーザーズボイス 三重県 東村 篤志さん

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三重県 東村 篤志さん

Q. 農業を始められたきっかけを教えてください。

A. もともと父がブロッコリーの育種者で、家族経営の小さな種苗会社を運営していました。私は会社勤めをしていましたが、8年前に父のガンが再発した際に呼び戻され、しばらく育種や生産業務に携わっていました。その後、父の他界をきっかけに、代表取締役に就任し、経営に着手することになりました。現在は、ブロッコリー、スイートコーン、リーフレタス、キャベツ、にんじん、大根、カリフラワー、アレッタ、オクラ、トマト、ナス、パプリカ、ピーマン、甘長とうがらし、ほうれんそう、パクチー、アイスプラント、空心菜など多品目の野菜を栽培しています。

Q. 農業のどのようなところに、魅力を感じていらっしゃいますか?

A. 父がよく「農業は総合力だ」と言っていましたが、その言葉の通り、食・化学・機械・土壌・生物・天候・IT・建築・土木・世界情勢・言語など、あらゆることに精通し、常に勉強や分析、工夫を続けていなければなりません。そうしないと、害虫・病気・雑草・害獣・悪天候・ライバルに負けてしまうからです。そのような点が他の職業にはない農業の面白さであり、魅力だと思います。

Q. 現在、お仕事上で課題になっていることは何でしょうか?

A. 現在、会社名のブランド化に取り組んでいます。野菜の美味さと安定した生産が大前提ですが、通常の流通だけでは農業法人の経営が成り立たないので、付加価値をつけてより高い価格で販売することを目指しています。また、食品ロスを減らすために加工会社と連携したり、特別直売で訳あり品を近隣の方々に販売するなど、さまざまな取り組みを進めています。ハイエンドからローエンドまで販売方法を柔軟に変え、複数の販売チャネルを持つことで、収穫したものを無駄なく活用する持続可能な農業形態を目標にしています。

Q. 使用しているBASFのソリューションがあれば、どのようなことに貢献しているか教えてください。

A. モーティブ®乳剤やゴーゴーサン®乳剤、フィールドスター®P乳剤を使用しています。また、ヨトウムシ対策としてカスケード®乳剤を使っています。他にも、独自の作用でコナガに効くコテツ®フロアブルやメタフルミゾン、新成分のブロフラニリドも効果が高く、気に入って防除体系に取り入れています。殺菌剤は使用を控えていますが、付加価値の高いシグナム®WDGは予防の意味も含めてローテーションに入れ、出蕾期に散布しています。その影響かもしれませんが、昨秋はブロッコリーの黒すす病の発生が他の圃場と比べて少なかったようです。

Q. 若い方が農業に関心を持つには、どのようなことが必要だと思いますか?

A. 自然の中で働く農業に憧れを持つ人は多いと思います。給与や待遇がある程度保証されれば、より多くの人が農業に携わるようになるのではないでしょうか。しかし、現状では資材費や人件費が上がる一方で、価格を抑えるために農家の手取りが減っています。そのため、消費者の方々に野菜の価格に対して理解を深めてもらうことも大切だと考えています。また、農業を独立して始めるには土地や機械が必要ですが、それらを持っていない人でも参入できるような社会の仕組みを作らなければなりません。

※この記事は2025年に公開されたものです。