ユーザーズボイス 岩手県 佐々木 良子さん
岩手県 佐々木 良子さん
Q. 農業を始められたきっかけを教えてください。
A. 父が亡くなり、母一人で農業を続けるのは難しいのではないかと思い、25歳の頃から別の仕事をしながら手伝いを始めました。当時はまだ手押しの田植え機が使われており、乗用田植え機が珍しがられる時代でした。その後、勤めていた会社を辞め、上野ファームに就職し、本格的に農業に携わるようになりました。
東京から岩手へ移住し、のどかなひばりの声を聞きながら畑を耕す時間は、何よりも感動的でした。自然の中で作業する清々しさと心地よさがあったからこそ、40年以上続けてこられたのだと思います。現在は、47ヘクタールの農地で水稲と大豆を栽培しています。
Q. これまでで一番大変だったことはどのようなことですか。
A. トラクターが圃場のぬかるみにはまってしまい、前にも後ろにも進めなくなったことです。もがけばもがくほどタイヤが沈み込んでいくような状態でした。わらや木材、橋板などを入れて何とか抜け出そうとしましたが、どうにもなりませんでした。そんな時、通りすがりのトラックの方が状況を見かねてロープを持ってきてくださり、トラクターを引っ張って助けてくれたんです。本当に救世主でした。感謝してもしきれないほど、うれしかったことを今でも覚えています。
Q. 2026年は国連の定める「国際女性農業従事者年」ですが、今後さらに女性就農者が増えるためには、何が必要だと思いますか。
A. 意識の変化が必要ではないでしょうか。「女性が農機を操作するのは無理だ」と思われがちですが、私はトラクターや田植え機、コンバインなど機械を操作するのが楽しいと感じています。その楽しさを、もっと多くの人に味わってもらいたいです。
せっかく大型特殊免許を取得しても、実際に触れる機会がなければ感覚を忘れてしまいます。慣れた人が作業をすれば早く進みますが、世代交代を考えれば、男女に関係なく経験を積むことが大切です。実際に体験し、操作する機会を持つことが大事だと思います。
私自身、母と二人で農業をしていた時期もありました。その時は、力仕事を周囲にお願いしたり、分からないことは積極的に人に聞いたりしてきました。そうすると、周りがカバーしてくれたんです。自分たちだけで抱え込まず、人の力を借りることも大切ですね。
Q. xarvio® FIELD MANAGERをご利用になった動機を教えてください。
A. 農業の経験を重ねるにつれて、「穂がいつ出るのか」「いつ色づくのか」といった生育に関する知識は少しずつ身についてきました。一方で、「なぜそうなるのか」という疑問がありました。母も亡くなり、近所の方に聞いても、それぞれ意見が異なり、なかなか理解しきれない。自分なりに一生懸命調べる中で、ザルビオに出会いました。ザルビオの生育ステージを見ると、自分の感覚や経験で行ってきたことが「本当にその通りだ」と確認でき、それが大きな後押しになりました。ザルビオの生育ステージ予測機能によって、生育状況をよりリアルに把握できるようになり、作業計画も立てやすくなりました。圃場を見える化できたことは非常に大きいと感じています。データが積み重なっていけば、さらに効率化も図れるのではないかと期待しています。
Q. 若手生産者、就農を考えている方にメッセージをお願いします。
A. 農業は、子育てに似ているように感じます。種をまき、「芽が出るだろうか」と心配しながら見守り、芽が出れば喜び、葉が1枚、2枚と増えていく様子を見ていく。子どもの成長を見守るように、作物の生育の過程を間近で感じられることは、大きな楽しみです。
しかも、働く場所は自然の中。おいしい空気を吸いながらの作業です。もちろん天候に左右され、苦労することもたくさんあります。それでも、今の農業は、かつてのように「汚い」「きつい」といったイメージの仕事ではなくなってきています。スマート農業も普及し、女性にとっても参入しやすい環境が整いつつあると感じています。
農業の良い面に目を向けてみると、長く続けていける、抜群の仕事ではないかと思います。
※この記事は2026年に公開されたものです。
BASFは国連の定める「国際女性農業従事者年(2026年)」の取り組みを支援しています。
