ユーザーズボイス 石川県 林 浩陽さん、林 夢太さん

石川県 林 浩陽さん(写真右)、林 夢太さん(写真左)
Q. 就農されたのはいつ頃ですか?
A. 私(父の浩陽さん)は美大を卒業後、デザイナーとしてホンダ技研で働いていましたが、稲作を経営していた父親が農地を拡大することになり、地元に戻って1983年から農業を始めました。
息子(夢太さん)は、関東の病院で医療系サービスの仕事をしていましたが、「やっぱり家に戻って農業をやりたい」という思いから12年前に仕事を辞めて就農しました。
Q. 農業のどのようなところに魅力・やりがいを感じていらっしゃいますか?
A. 友人から「農家は農作物という『いのち』を作っているんだね」と言われたとき、「そういう見方もあるのか」と気づかされました。「もの作り」という意味では、デザインも農業も同じだろうと思って農業を始めたものの、想像と違う部分もあり、苦労した時期もありました。それでも試行錯誤しながら続けた今では、農業こそ究極のデザインだと思っています。
Q. これまでで一番大変だったのはどのようなことですか?
A. 幸い天災が少ない地域ですが、雇われ社長に資金を持ち逃げされるなど、人間関係で色々と苦労することがありました。息子は、そんな父親の苦労を見てきたので、xarvio® FIELD MANAGERなど新しい技術をうまく取り入れながら緻密な農業を効率良くやっていますね。
Q. xarvio® FIELD MANAGERは、どのようなことにお役立ていただいていますか?
A. 資材高騰でコストを削減しないといけないと考え、手撒きでも可変施肥ができるxarvio® FIELD MANAGERの導入を決めました。また、最近は高温障害の影響で収量や品質を維持するのが大変です。これまでは、慣行的に田植え日の早い圃場から収穫していましたが、xarvio® FIELD MANAGERを導入してからは生育ステージ予測を活用し、収穫適期を教えてもらいながら、稲刈りを行っています。お陰で、刈り遅れもなく、効率よく収穫出来ました。その結果、安定的な収量と高品質な米を生産できるようになりました。xarvio® FIELD MANAGERは素晴らしいシステムで、コスパ(費用対効果)が高いと思っています。
Q. 今後の展望を教えてください。
A. 農業が未来に続くことを目指し、楽しみながら仕事に取り組むためにYouTubeやインスタで「23世紀型お笑い系百姓」として発信しています。「食育は日本の農業を救う」という考えのもと、28年間にわたって子ども向けの米作り体験学習や食育授業を行っています。最近ではコメ不足が問題になりましたが、もっと多くの人に農業の大切さを理解してもらいたいです。特に新規就農者を増やすには、適切な対価を得られる仕組みが必要ですね。そのためにも、SNSなどを通じて私たちがやっていることを見てもらう、知ってもらうことが大切だと思っています。
また、能登半島地震の被害で地元の人たちは半分心が折れているように感じています。現地は田んぼに泥水が流れ込むなど、本当に大変な状況なんです。ボランティア活動を行っていますが、現地の様子を見ると、もう涙が出ますね。これからも復興に向けて直接的な支援を続けていきますので、皆さんにもお力添えいただけると嬉しいです。