群馬県JA嬬恋村田代そさい組合 橋詰 一也さん
(取材時:2019年10月)
衝撃的な出会いだったカンタス
今でも菌核病防除の主役です。
6~10月の夏秋キャベツの出荷量が日本一を誇るキャベツの大産地、群馬県の嬬恋村。Paddyではこのたび、10年前に取材したこの地を再び訪ねました。キャベツへの取り組み、そしてカンタスドライフロアブルの存在がどのように変遷したのでしょうか。嬬恋ブランドを支えるキーパーソンにお話を伺います。
作付面積の増加に伴い、さらなる早寝早起きに!?
10年前の取材時と変わらない若々しさと笑顔で私たち取材チームを出迎えてくれたのは、嬬恋村の橋詰一也さん。キャベツの作付面積は当時よりも2.5ha増え11haになり、そのぶん起床時間も早くなったのだそうです。
「息子3人の子育てが落ち着いたので、家内も作業の戦力に加わりました。朝が早いので最近は夜9時ぐらいに寝てしまいますね」と笑う橋詰さん。
あれから10年。病害防除への取り組みについては、どのように対応されているのでしょうか。
「菌核病が最重要病害のひとつであることは、今も変わっていません。12年前までは、菌核病に有効な剤がなくて本当に困っていたんです。出たら広がるのが早いし、感染を止められる剤もなかったですから。発生がひどかった年は、1枚の畑のうち2割しか収穫できないなんていうこともありました」。
菌核病への高い予防効果で収益的にも大きなメリットが
橋詰さんは『初恋』『青琳』『涼峰』といった夏秋キャベツを栽培。防除は10~14日の間隔で、定植から収穫までの間に4~5回のローテーション防除を行うそうです。12年前からは、全圃場で毎年欠かさずカンタスドライフロアブルを愛用されているのだとか。
「最初に使った年は、冷夏で菌核病が多発していたんですが、カンタスを散布したら症状がピターッと止まってそれ以上広がらなかった。それはもう衝撃的な出会いでしたね」。
橋詰さんはそれ以来、定植後1回目か2回目の防除でカンタスドライフロアブルを使用・・・12年前からの定番です。
「病害防除の基本はやっぱり予防です。カンタスは予防効果がすごく高いので、防除のトップバッターで使えば菌核病をほぼ確実に抑えられる。だから、キャベツの品質も上がって、収益的にもすごくメリットがあるんです。最近では、カンタスと同系統の菌核病対策剤が増えましたが、私はカンタスをいちばん信頼しています」。
天候や病害虫対策で苦労した年ほど達成感がある、と橋詰さん。そんな父親の背中を見て育つ息子さんが、農業経営のパートナーとして活躍する日が来るのも、そう遠くないのかもしれません。
2009年取材当時の橋詰さん、小嶋さん
JA嬬恋村 農産部 営農畜産課
課長 市場 務さん
JA嬬恋村 農産部 営農畜産課
係長 小嶋 良樹さん
菌核病の問題が一気に解消。
産地の未来のために欠かせません。
嬬恋村産のキャベツは、産地全体の高い栽培技術をベースに密植栽培で作付されています。
「うね間は45cm、株間は30cm。それだけ高収量が得られますが、当然病害虫のリスクも高くなるので、それをカバーする高い技術が必要です」と市場さんは話します。カンタスドライフロアブルが防除暦に採用されたのは10年前のこと。
「密植栽培だと当然、菌核病も出やすくなりますが、菌核病対策はカンタスによって一気に問題が解決したという印象を持ってます。今でも、菌核病対策剤の中でいちばん使用されている殺菌剤ですね」と話すのは小嶋さん。菌核病は耐性菌が発生しにくいので、カンタスドライフロアブルは今後も密植栽培を支える薬剤の一つとして指導し、生産者の方々の高品質なキャベツ作りをバックアップしていきたい、とそのまなざしは産地の未来を見据えます。