愛知県豊橋市 服部 敏也さん
(取材時:2019年4月)
ユニークな効果で、コナガに効いてるな、と実感できるカスケードは欠かせません。
国内トップの作付面積を誇る愛知県のキャベツ。その主要産地である豊橋市でキャベツを作付する服部敏也さんの圃場に伺いました。服部さんは魚市場やオフィス機器メーカーなどを経て38歳のときに専業農家に転身し、就農12年目。JA豊橋管内で秋冬、春夏キャベツを手がけて3年になります。作業でお忙しい中、高品質なキャベツ作りの秘訣を伺いました。
秋冬、春夏キャベツの作業が重なる1~3月は大忙し
「就農前はサラリーマンをやめるか兼業農家のままがいいか、だいぶ悩みましたね」と話す服部さん。農業は太陽の光も浴びるし、土にも触れるから身体にとってこんないい職業はない、と快活に笑います。服部さんの圃場では、秋冬キャベツを4ha、春夏キャベツを1.5ha作付し、11月~翌年5月まで、1年の半分以上キャベツ収穫が続きます。秋冬キャベツの収穫と春夏キャベツの定植が重なる1~3月は、両作業に追われとりわけ多忙な日々を過ごすそうです。
「農業は自然との闘い。平成30年の愛知県は台風の影響で、キャベツの価格がとても高騰しましたが、今年は逆に価格が低迷しているのでギャップは大きいですね」。収量の目安は、10aあたり10kg段ボール600ケース。できるだけ段ボールに6~8玉で出荷できるように肥培管理していくのが理想なのだそうです。
定植後2回目の防除にカスケード乳剤を使用
服部さんが参加する地元の生産者組織を通じて、病害虫防除の情報も頻繁に交換すると言います。地域の問題害虫はなんといってもコナガ。暖冬の影響で冬場の食害も増えているそうです。
服部さんの圃場では、ブームスプレイヤーを使って7~10日間隔で最低8回程度の防除を実施。2年前からは主にコナガ対策として、カスケード乳剤を使用していらっしゃいます。エクセルでスケジュールを管理し、圃場ではスマホでチェックしています。
「生産者組織の代表も務める農業歴30年の先輩から、『カスケードはすごく有効な剤だよ』ってアドバイスいただいたんです」と服部さん。カスケード乳剤の使用タイミングは、生育期前半にあたる定植後2回目の防除。その理由について服部さんはこう言います。
「キャベツが大きくなって、隣の葉っぱ同士が重なる前に散布すれば、散布の勢いで葉裏まで届くんです。カスケードはコナガの初期発生を抑えてくれているので、効いてるな、キャベツがきれいだなっていう実感がありますね」。
害虫の抵抗力を弱める
カスケード乳剤は、コナガ対策として他のIGR剤よりも効果が高いという印象をお持ちの服部さん。また、他殺虫剤との混用による効果の最大化も実感されていらっしゃいます。
「実際の圃場でコナガへの効果を実感していて、目視もそうですが感覚的に発生が少ないのがわかる。混用によって1+1が3になったり、4になったりする感じです」と評価してくださいました。
カスケード乳剤は、害虫の脱皮を阻害する効果に加え、腸を守っている「囲食膜」をもろくし害虫の抵抗力を弱める作用も確認されている殺虫剤。そのユニークな作用を聞いて、「それはほかの仲間にもぜひ教えたい」と服部さん。生産者組織のほぼ全員がカスケード乳剤を導入済みで、昨年からはJA豊橋の防除暦にも採用され、使う方はさらに増えているとのことです。
「作り手も、作っている野菜も健康に」をモットーとする服部さん。中学1年の長男、小学5年の長女、お2人とも『将来、やりたい仕事は農業』と言ってくれたのはうれしかった、と振り返ります。今後もますます頼もしい父の背中を見せてくれることでしょう。