カスケード®乳剤についてお問い合わせの多いQ&Aをご紹介します
効果について
- 散布後に雨が降りました、効果に影響はありますか?
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降雨の前に散布液が乾いていれば効果に影響は少ないですが、散布直後の降雨は有効成分が流亡する可能性があるため避けてください。カスケードの有効成分は降雨などで表面から流亡しても害虫への基礎活性が高いので、長期間にわたり害虫の発生を抑えます。これから梅雨時期に差し掛かりますが、天気予報などを参考に散布スケジュールを計画してください。
- 成虫や卵に対する効果はありますか?
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残念ながら成虫には効果がありません。カスケード乳剤は脱皮を阻害することで害虫を死に至らしめる殺虫剤であるため、幼虫、特に若齢幼虫に対して活性が高いことが確認されています。また卵に対する効果ですが、殺卵効果はありませんが、殺ふ化幼虫効果が期待できますので、予防的に散布していただくことで害虫の発生密度を抑えることができます。
- 収穫前何日という表示は、効果の持続期間を示しているのか。
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収穫前日数と残効日数は異なります。カスケードの残効日数は、気象条件等にもよりますが約10日~14日です。いっぽうで収穫前日数は製品の効果で決められるものではなく、使用方法、使用回数など登録内容に合わせた条件で各作物ごとの農薬の残留量を計測し十分な安全性が確認されて決められています。
- ダニに対する効果はありますか?
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カスケード乳剤はダニ目に対する活性が確認されています。具体的にはトマトサビダニ、ハダニ類、ホウレンソウケナガコナダニなど、実際に効果が確認され登録されています。
使用方法について
- 希釈倍数、散布水量に幅がありますが、おススメを教えてください。
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例)きゃべつのコナガ対策で、希釈倍数:2000~4000倍、散布水量:100~300L/10aの場合
圃場により害虫の発生密度、害虫の生育ステージが異なります。すでに害虫の発生が見られる場合、もしくは毎年害虫被害に悩まされている場合は濃い倍率を、いっぽう害虫の発生が見られないが予防的に散布したい場合は薄い倍率など、お使いの場面ごとに調整できるよう登録に幅を持たせています。また散布水量は作物の生育ステージにより調整ください。農薬は作物にムラなく散布することでより安定した効果が期待できるので、作物が小さいときは少水量、作物が大きくなればなるほど多水量が必要となってきます。 - 薬剤を溶かす際の順番があれば教えてください。
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省力化として散布回数を減らすために、例えば殺虫剤のほかに殺菌剤や展着剤を混用する、といった状況があるかと思います。薬剤を希釈する際、溶かしやすい順番としては一般的に水になじみやすい順番に「展着剤」→「乳剤」→「水和剤」「フロアブル剤」が良いと言われています。頭文字をとって「テニス」と覚えていただくと、覚えやすいです。なお、展着剤は混ぜると泡立ちやすい性質のものもありますので、そのような展着剤は最後に入れる方が良いでしょう。
- 朝と夕方、どの時間帯に散布するのが良いですか?
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散布する時間帯により薬剤の効果に大きく影響することはないでしょう。春~夏にかけては夕方でも温度が上がり風がでてくることもありますので、早朝や夕方の涼しい時間帯、かつ風がなるべく弱いタイミングが望ましいです。特に高温条件下であったり、夕方の日没前で薬剤が乾きにくい条件下では薬害のリスクが上がると考えられます。なお、連日収穫している作物(きゅうり、いちご等)の場合には、収穫終了後に散布し、翌日の収穫開始まで原則として24時間空けるようご注意ください。
製品について
- ミツバチや天敵の影響日数について教えてください
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日本生物防除協議会のホームページに農薬一覧が記載されていますので、参考にしてください。
http://www.biocontrol.jp/Tenteki.html - 臭いが気になります
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農薬成分そのものに由来するものではなく、乳化剤によるものです。農薬には乳剤、フロアブル剤、水和剤など異なる製剤タイプが存在します。これは有効成分の特性、効果の安定化、使用者暴露などの観点から選ばれ開発されているためです。カスケードは乳剤タイプの製品で、その原材料の一つに乳化剤が使用されています。乳化剤は界面活性剤と同義で使われることもありますが、乳化剤は石油系が多く、そのため乳剤タイプの製剤は石油っぽい臭いがすることがあります。
- 殺虫剤、殺菌剤との混用の可否を教えてください
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カスケード乳剤と他製品との混用については、弊社Webサイトで混用事例集を提供しています。本表はこれまでの試験事例、使用例を参考として紹介するものです。混用をすすめるものではなく、また結果を保証するものではありませんのでご注意ください。
- 浸透移行性はありますか?
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浸透移行性はありません。散布ムラのないよう、葉裏までしっかり薬液がかかるように散布してください。
- カスケードの製品名の由来を教えてください
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カスケードは英語で「Cascade」と表記され、「滝」を意味します。同じ「滝」の意味では「Waterfall」と表現される場面が多いですが、「Waterfall」は一気に流れ落ちる「滝」を意味し、いっぽうで「Cascade」は段々と階段状に流れ落ちる「滝」を意味します。カスケード乳剤は効果発現は遅効的ですが長期間にわたり効果が持続する特長があり、段々とジワジワ効果が長続きすることからカスケード乳剤と名付けられました。
登録内容について
- ヤングコーンは未成熟とうもろこしの登録で散布可能でしょうか?
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登録作物名として「とうもろこし」の大分類の中に、「未成熟とうもろこし」「とうもろこし(子実)」「ヤングコーン」の中分類が存在します。よって、「とうもろこし」の登録があれば「未成熟とうもろこし」「とうもろこし(子実)」「ヤングコーン」に使用可能で、「とうもろこし」の登録がなければ。「未成熟とうもろこし」「ヤングコーン」は個別の登録が必要です。カスケード乳剤は、「未成熟とうもろこし」の登録のみで「ヤングコーン」は中分類上異なりますので、ご使用いただけません。なお、「飼料用とうもろこし」は「とうもろこし」の分類には入りませんのでご注意ください。なお、「未成熟とうもろこし」はスイートコーンなど茹でたり焼いたりする生食用のとうもろこしの作物名で、「とうもろこし(子実)」は成熟した種子(ポップコーンや製粉用など)の作物名です。
- 輸出向け作物にも使用できますか?
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カスケード乳剤やナリアWDGなどBASFでは各国におけるインポートトレランス(残留農薬基準値)を積極的に取得しています。近年、日本ではアジアを中心に台湾や香港などへの輸出が増加傾向にあり、インポートトレランスの取得はさらに必要となってくると考えています。カスケード乳剤を含む各薬剤、各作物、国別の詳しい基準値は、農水省のホームページでご確認いただけます。
農林水産省 諸外国における残留農薬基準値に関する情報
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/zannou_kisei.html
混用について
- カスケードにどんな殺虫剤を混ぜたら効果があがりますか?
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キャベツのコナガ対象に75事例中54事例、キャベツのタマナギンウワバ対象に16事例中14事例でカスケード混用により効果が確認されています(評価基準は寄生虫数、被害度など)他社の薬剤名は公表しておりませんが、コテツフロアブル、プリンスフロアブルでも効果が確認されています。
- カスケードの希釈倍率は何倍にすればよいですか?
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キャベツでの登録希釈倍数は2000~4000倍ですが、混用による社内試験は4000倍で実施し、効果が確認されています。
- コナガ、タマナギンウワバ以外の害虫種で混用により効果があがった事例はありますか?
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他の作物、害虫種に対する社内試験データはありません。
- 効果的な散布タイミングはいつですか?
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社内試験ではコナガの通常防除する時期(発生前~発生初期)で実施しています。混用相手剤の防除タイミングに合わせてカスケードを使用してください。また、カスケードは遅効性なため、即効性のある剤との組み合わせで効果が高くなる傾向です。また比較的遅効性のBT剤(中腸への作用)との組み合わせにおいても効果が高い事例が確認されています。